R6年5月3日~5日、能登半島地震支援、NPO法人鍼灸地域支援ネットさんの鍼灸マッサージボランティア活動(石川県輪島市門前町)に参加して来ました。
1日目
JR金沢駅集合、鍼灸支援ネットさんと合流し、車で中能登の宿舎に向かいました。
中能登は文字通り能登半島の南北ちょうど中間くらいの町で、ところどころ屋根がブルーシートで覆われていたり、道路が補整されていたり、崖からの落石防護対策で道路が一通になっていたりしていましたが、ライフラインも普通で通常の暮らしが戻っているようでした。
災害ボランティア参加は初めてだったので、どれだけのお手伝いができるだろう?とドキドキしながらこの日は就寝。
2日目a
輪島市役所門前支所にて、職員の方を対象に疲労緩和ケアをさせていただきました。
支所を訪れる前に、もう少し北部の門前町七浦(しつら)公民館で活動されている他のチームの方々と顔合わせ&ご挨拶に立ち寄りました。
半島の奥へ北上するにつれ、途中潰れてしまった家屋はそのまま、道路はデコボコ、どこのお店も休業という風景が…。5ヶ月経ってまだこの状態なのか、と戸惑います。
この地区に至るまでの主要道路が3月中旬まで不通だったことが、復興が遅れている原因の一つ。水道も通っていない家がまだあり、公民館には給水所や仮設シャワーが設けられていました。
近くにオープン間近の真新しいコンビニがあり、
水道が通ったらオープンして地域が活気付くだろう
とNPOの方が仰ってました。物を買う、ということだけが目的ではない、店舗の役割りを認識しました。
偶然、七浦出身の毎日新聞の記者さんにお会いして、この地域の現状をお聞きしました。
子育て世代は都会に出てしまって、残っているのは半数以上が高齢者。楽しんでもらうイベントを開催しても、お年寄りだけではなかなか出て来ない。勤勉な気質で余暇より農作業優先にしがち。つい先日、記者さんの同級生が避難所で亡くなられた、等々。
その後、輪島市役所門前支所へ訪問。ほほあげ鍼灸院チークアップラボのお客様からお預かりした災害支援寄付金を無事にお届けしました。大事な任務一つ完了!
そして職員の方々の疲労緩和施術をさせていただきました。
発災後、休日返上で勤務されお疲れが溜まっておられました。地震のあとに体調に異変が生じた方、普段は事務担当なのに発災後の数ヶ月、物資搬送業務をされて身体に痛みを感じてる方、ご自身は自覚症状なくてもガチガチに首肩腰が凝ってる方、等々。
施術後は、皆さん身体が楽になった、気持ちよかった、疲れが取れた、と喜んでいただき嬉しく思いました。
施術業務の後少し時間があったので、NPOの方が「実際に現状を見てほしい」ということで車で被災地を回ってくださいました。
支所のすぐ近くの總持寺祖院は、甚大な被害を受け、耐震補強していない建造物はほとんど崩れていました。
大火災が起きた朝市は全て焼き尽くされて、爆撃を受けたかのような悲惨な状態が目の前に広がっていました。倒れた五島屋ビルもそのまま残っています。
珠洲市の海岸隆起は最大で4m。今まで水中に沈んでいた岩場が現れ、岩表面の海藻が日に焼け一面真っ白な岩の海岸になっていました。今まで見たことがない光景です。海岸線がだいぶ沖に移動したことにより、漁船が運航できず漁業は壊滅的だそうです。
黒島地区は黒釉薬瓦に格子、下見板張りといった日本家屋が立ち並ぶ伝統的建造物保存地区となっています。条例に則り文化を守ってきた日本家屋は今回の地震でほとんど倒壊し、大手メーカーの洋式家屋は健在でした。
プレハブの仮設住宅は急ピッチで建設されているようですが、まだまだ足りない状況。地区によってはプレハブの横に木造住宅も建てられていました、仮設のあと公営住宅として利用してもらうそうです。
和倉温泉の高級温泉旅館はどこも休業中で、街はすっかりさびれていました。ようやく1~2軒オープンしたようですが、まだほとんどの旅館の壁や敷地内は崩壊したままでした。
たくさんの情報が頭の中に入ってきてパンパンのまま宿舎に戻ると、宿舎の管理人さんから嬉しい美味しい差し入れを山盛りいただきました🎵ありがとうございました♪
美しい自然と街並み、素晴らしい伝統文化産業、優しくフレンドリーな住民の方々。以前の能登を取り戻してほしいと切に願いました。
3日目
この日も輪島市役所門前支所にて施術でした。
施術を受けながらお話しされる職員の方々の言葉からは能登愛が溢れていて、本当に能登が好きでこの地に残り懸命に復興業務を行っておられるのだと感じました。
施術を終え色々な想いを胸に帰路につきました。
今回の災害ボランティア参加でお世話になりました、NPO法人鍼灸地域支援ネット理事長の日比様、浜野先生、上岡先生、ご指導いただき本当にありがとうございました!
また、ほほあげ鍼灸院チークアップラボに設置した募金箱に寄付していただきましたお客様方、心よりお礼申し上げます。
鍼灸支援ネットさんは、今後も隔週で現地へ赴き支援を続けられるそうです。私は頻繁には行けそうにありませんが、今回の訪問で終わらせる事なく、何らかの形でできる限りの支援をさせていただきたいと思っています。
幸い私が住む京都は災害が少ない地域で、比較的防災意識が薄い傾向がありますが、災害対策について他人事だと思わず備えておかなければいけませんね。